猫にレーズンはダメ!ぶどうを餌に使わないで
「猫がレーズンを食べた!」そんなときは注意が必要です。
生のぶどうを猫が食べることは少ないとは思いますが、レーズンパンやぶどうジュースを飲むケースは少なくありません。
猫がぶどう類を食べたら中毒をおこす可能性があるため、急いで対処しましょう。
猫はぶどうを食べたらダメ!
猫にぶどうを食べさせてはいけません。
はっきりとした研究データはありませんが、リスクが高いことはわかっています。
ぶどうは腎不全の恐れがあるから

猫がぶどうを食べると急性腎不全になるリスクがあることから、猫にぶどうを与えてはいけません。
猫にぶどうを食べさせると、最悪の場合は腎臓に障害がおこり、死亡することもあります。
猫の腎不全とは?
腎臓は老廃物を除去する役割を持ち、尿を生成している臓器です。
老廃物には猫の体に不要なものが多く含まれているため、尿と一緒に排出する必要があります。
ところが、何らかの原因で腎臓のろ過機能が悪くなると、老廃物が溜まって猫の体に悪影響を与えます。
一度壊れた腎臓は元に戻ることはなく、尿毒症になれば猫は命を落とてしまいます。
猫が急性腎不全になる理由は、「腎臓への血液量の低下」「細菌やウイルス感染」「下部尿路疾患」などが原因となります。
猫はもともと腎臓が弱い生き物
家猫の祖先はリビアヤマネコで、水が少なく乾燥した地域で住んでいました。
限られた水で生きるため尿を濃くすることで、体の水分量を保っているのです。
家猫もリビアヤマネコと同じ性質を引き継いでいるため、腎臓がもともと弱く、加齢によって腎臓病になりやすいです。
「若いからまだ大丈夫」と思っていても、今は家猫の寿命も延びているため、猫が年を取ったときに腎臓病になるかもしれません。
もともと腎臓が弱い猫には、腎臓に負担がかかりやすいぶどうを食べせてはいけないのです。
ぶどうの皮は実よりも中毒になりやすい
アメリカの研究データでは、犬にぶどうを食べさせると重篤な症状をひきおこすことがわかっています。
猫がぶどうを食べてどのような影響が出るかは、明確な研究データはありません。
そのため、猫がぶどうを食べて同じような症状が出るかはわかっておらず、犬と同じような可能性があると考えられています。
犬と猫は食べてはいけないものが似ているため、猫もぶどうを食べると犬と同じように重篤な症状をひきおこす可能性があります。
わかっているのは「実よりも皮にリスクが高い」ということです。
体重1kgあたり30gのぶどうが致死量になる
猫の致死量は体重1kgあたり生のぶどうを30g食べたときです。
ぶどうといってもレーズンもありますし、品種の違いによっても、致死量となる量は変わってきます。
「たくさん食べたらなるのか?」「1粒でも食べたらダメなのか?」など諸説もあるようですが、詳しいことがわかっていない以上、猫にブドウを食べさせるのは止めましょう。
猫がぶどうを食べてしまったら?
ぶどうは猫の腎臓にダメージを与える可能性があるため、急いで処置が必要です。
迷っている時間はないので、すぐに行動をおこしましょう。
ぶどうを食べたときの症状
犬がぶどうを食べたときは、尿の量が減ることがわかっています。
猫の尿がまったく出なくなった場合は、生存率が低くなるため注意が必要です。
日本小動物獣医学会誌に、犬でぶどうを食べて急性腎不全になり、死亡した例が掲載されているので、詳しく知りたい方は確認してみてください。
すぐに猫を吐かせること
犬とぶどうとの研究内容によると、2~3時間ほどで犬に下痢や嘔吐が見られたため、猫がぶどうを食べたらすぐに吐かせてください。
猫に吐かせる目安は「食べた直後」です。
飼い主さんが猫を吐かせることができても、全てのぶどうを吐いたとは限らないため、動物病院に行ってください。
吐いたとしても動物病院に連れて行く
1時間以内に猫を吐かせる必要があるため、猫がぶどうを食べたらすぐに動物病院に行きましょう。
猫がぶどうを食べた直後なら、まだぶどうは消化されていない可能性が高いです。
動物病院では時間が早ければ嘔吐をおこす処置が必要になります。
猫の腎臓が壊れてしまえばもとに戻すことはできず、透析をする生活になってしまうのです。
食べたぶどうの量が多ければ、猫の命が奪われる可能性もあります。
年数がたってから影響が出る可能性も
「1粒ぶどうを食べただけだからいいかな・・・」と飼い主さんは思うかもしれませんが、ぶどうの成分で腎臓が壊れていれば、何年もたって症状が出ることもあります。
猫の病気は腎臓病がとても多く、死因もがんに次いで多いです。
もしかしたら飼い主さんの目を盗んで猫がレーズンパンを食べていて、腎臓にダメージがかかっていることがわからず、「あのとき猫がレーズンを食べたせいかも?」と後悔するかもしれません。
獣医さんも次のような発言をしています。
食べてはいけない物を少しだけ食べて、見た目には何も問題はなくとも実は血液検査上では異常値があれもこれも・・・なんてこともよくあります。
だからこそ、猫がいる家庭ではぶどうやレーズンを放置しないでください。
万が一猫がぶどうを食べたことが分かった場合は、迷わず動物病院を受診しましょう。
猫が好きなぶどうの種類
ぶどうといってもジュース、レーズンなど形を変えたものや、品種が違うものもあります。
どれも猫が食べる可能性があるもののため注意しましょう。
ぶどうジュース
ぶどうを原料にして作られている「ぶどうジュース」も猫に飲ませないでください。
猫とお酒の関係性を紹介した記事で、猫用ワインを紹介しました。
アメリカ産の「モスキャット&ピノ・ミャウ」という商品なのですが、原材料はぶどうではなくビーツなので安心して飲ませることができます。
赤ワインも白ワインも、水、キャットニップ、ビーツ、塩が原材料です。
ビーツの天然の赤さを使ったワインなので、安心ですね。
市販の「猫用ぶどうジュース」や「猫用ワイン」が売られているときは、必ず原材料にぶどうが入っていないか確認してください。
レーズン
レーズンもぶどうの一種のため、猫に食べさせてはいけません。
皮ごと干したものがレーズンで、ぶどうの成分をそのまま含んでいます。
レーズンはぶどうの成分が凝縮されているので、少量でも危険性が高まるでしょう。
生のぶどうは食べない猫でも、「レーズンが落ちていてうっかり食べた」ということはあるかもしれません。
レーズンは「レーズンパン」「レーズンクッキー」「レーズンバター」などいろいろな食品にも含まれているので注意しましょう。
バターを好む猫も少なくないようで、レーズンが入っているバターサンドを食べてしまう可能性もあります。
マスカット
マスカットもぶどうの品種のため、猫に食べさせることはできません。
ぶどうはデラウェア、巨峰、キャンベルなど品種が多く、名前が違うことから気が付かず猫に食べさせてしまう可能性もあります。
よくスーパーで売られているアメリカ産の「レッドグローブ」もぶどうの一種です。
まとめ
猫にぶどうがこれほど危険な食べ物だと知らなかった方が多いと思います。
犬にぶどうがダメなのも2000年に入ってからわかったことのため、知らない飼い主さんも多いようです。
猫が誤ってぶどうを食べてしまったなら、迷わず動物病院を受診しましょう。
普段から人間のものを食べないしつけも必要となります。
もし以前食べたレーズンで症状が出ていない場合でも、腎臓にダメージがかかっている可能性もあるので、獣医さんに相談したほうがいいかもしれませんね。