猫にノンアルコールビールはOK?
「猫とビールを一緒に飲みたい!」
飼い主さんが猫との晩酌を夢見ていても、ちょっと待ってください。
猫にビールを与えると、最悪の場合死ぬこともあるためです。
なぜ猫にビールを与えてはいけないのか紹介します。
でも、猫の健康のためにビール酵母をかけるのはOKですよ。
猫にビールを飲ませてはいけない理由
猫に絶対ビールを与えてはいけない理由があります。
飼い主さんが猫と晩酌したくなったら、チェックしておくようにしましょう。
猫の肝臓はアルコールを代謝できない

猫はアルコールを分解する酵素を持っていないため、猫にビールを飲ませてはいけません。
人間は肝臓でアルコールを分解して、アルコールを無害化できます。
肝臓のアルコール脱水素酵素で→アセトアルデヒドとなりアセトアルデヒド脱水素酵素で→無害化しています。
アセトアルデヒドは毒性の強い物質で、人も持っている酵素の量によって、急性アルコール中毒になることがありますよね。
猫は酵素を持っておらず、どんどん毒物が体に蓄積していきます。
最悪の場合は猫が死亡してしまうこともある
猫はアルコールによるアセトアルデヒドを分解できないため、最悪の場合はすぐに死んでしまうこともあります。
アルコールは脳幹の機能を落としてしまい、猫は酔っぱらった状態になります。
しだいに意識がもうろうとしてきて、昏睡状態となり命を落とすこともあるでしょう。
猫が空腹時にビールを飲むと、わずか15~30分で症状が現れます。
胃に何か入っているときは、1~2時間くらいで症状が出てくるのが特徴です。
猫が急性アルコール中毒になると、運動機能が悪くなり、呼吸数が落ちてしまいます。
横にバタンと倒れたときは注意が必要です。
10%のアルコールは1kg50ccで致死量になる
猫は10%のアルコールを1kgあたり50CC摂取するだけで致死量になります。
動物病院のホームページに詳しい致死量が記載されているため、参考にしてください。
アルコールを5.5~6.5ml/kgを摂取すると犬猫にとって致命的であると言われています。アルコール飲料としてよく飲まれているビール、ワイン類ウイスキーは、それぞれ 5-7%、9-12%、50-90%のアルコールを含んでいます。たとえば 10%のアルコールを含んだワインであれば1kgあたり50cc強、摂取させると致死量になります。
体が小さい猫は、それだけ少量のアルコールで致死量になるため注意してください。
個体によっても差があるため、致死量に達しないアルコールなら猫に飲ませていいというわけでもありません。
またたびも与え過ぎると危険
猫が酔っぱらったようになるまたたびも、猫の中枢神経を抑制するため、与えすぎは危険です。
またたびは猫が酔っぱらったようになることから、ストレス解消やリラックス目的で与えることがあります。
猫には顎にヤコブソン器官があるため、その部分でマタタビ特有成分を感知して、中枢神経を麻痺させる仕組みです。
またたびもアルコールと同様に中枢神経を麻痺させるもののため、量が多すぎると呼吸困難や心肺停止をおこすこともあるので注意してください。
猫にまたたびを与えるときは、最初は少量からはじめて、必ず飼い主さんが管理しながら猫に与えるようにしましょう。
猫がビールを誤飲したときの対処方法は?
飼い主さんが放置したビールを猫が誤って飲んでしまったら、すぐに応急処置が必要です。
急いで動物病院に連れて行く
猫の意識があるようなら、急いで吐かせてください。
飼い主さんが猫の頭を押さえて、猫の喉に指を入れると吐くことがあります。
猫が吐かないようなら、無理をせずに動物病院に連れていきましょう。
動物病院では胃洗浄をして内容物を取り出す処置がされます。
呼吸機能が抑制されていたら人工呼吸をして、心臓が止まったら心肺蘇生が必要です。
猫がアルコールを誤って飲んでしまったときは、活性炭をできるだけ早く飲ませるのが効果的だそうです。
家庭で飲ませることは難しいため、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
どのアルコールでも影響がある?
猫はアルコールを代謝できないわけなので、どのようなアルコールも避けるのがおすすめです。
では、少量のアルコールを皮膚に付けるのはどうなのでしょうか?
ノンアルコールビールの場合
出典:Instagram
海外では猫とお酒を楽しみたい意向が多いからなのか、猫用のワインが売られているようです。
ノンアルコールビールをわざわざ猫に与える必要はありませんが、猫用のドリンクなら安心して与えることができます。
猫用ワインには猫が好むキャットニップが含まれているため、猫が好んで飲む可能性があります。
原料は有機栽培のビートとキャットニップで、猫に与えても安心です。
Apollo Peakのキャットワインで、1本500円くらいの値段で売られています。
アメリカに海外旅行した場合は、猫へのお土産としてどうでしょうか。
アルコール消毒の場合
皮膚から取り込まれるアルコールの量は少ないですが、気になるならアルコール消毒も避けるようにしましょう。
獣医さんの話によると、アルコール消毒は無意味で、むしろ猫の皮膚に悪影響を与える可能性もあるそうです。
アルコール消毒は安心材料にしかならない可能性があります。
アルコールごときではそんなたいそうな敵は倒せません。
物理的に水洗いした方が100倍マシな除去方法でしょう(苦笑)。
アルコール綿でゴシゴシ皮膚が傷むほどこすれば、ある程度は除去出来ると思われますが、それなら流水で流し去った方がやはり100倍マシです^^;
出典:http://pet-net3.sakura.ne.jp/pet-idobata/pet-zatugaku/muimi-aruko-ru/
猫にビール酵母を与えるのは?
犬や猫用に売られているビール酵母があるため、猫にビール酵母を与えても大丈夫です。
アルコールも含まれておらず、猫の栄養補給として使えるでしょう。
猫にビール酵母アレルギーがあるため注意
猫の中にはビール酵母にアレルギーを持つ場合もあります。
健康目的で猫にビール酵母を与える場合は、少量からはじめて猫の体に変化がないか確かめてみてください。
皮膚に痒みが現れたり、くしゃみが出たりすればアレルギーがあります。
猫のアレルギーは植物たんぱく質に多く、ビール酵母も例外ではありません。
腸内環境を整える目的で使える
ビール酵母とはビールを製造する段階で出る酵母のことで、アルコール分や苦みがありません。
ビタミン、ミネラル、食物繊維、アミノ酸が主原料です。
市販されている猫用のビール酵母は、整腸作用を目的に販売しているものもあります。
便秘や下痢しやすい猫にビール酵母を与えることができます。
ほかにもグルタチオンによる肝臓サポート効果や、弱った腎臓を強くするサポートとしても使う例があるようです。
猫にビール酵母を与えるときは、猫用のものを選んで、フードに振りかけて使います。
ビール好きの猫の動画
猫によってはビール好きになる場合もあるようです。
ビールを飲ませたら猫はどうなるのかまとめた動画がありましたが、さすがに削除されたようですね。
ふざけ半分でも猫にビールを与えるのは止めてくださいね。
猫の体に毒を溜め込んでいるのと一緒で、愛猫が亡くなってしまう可能性もあります。
飼い主さんが猫と一緒に晩酌をすれば、猫は命の危険にさらされることを覚えておいてください。
猫にビールはダメだけどビール箱は好き
出典:
猫にビールを飲ませるのは絶対ダメですが、ビール箱は猫に大人気です。
飼い主さんがビールを飲み終わったら、猫にビール箱を提供してみてはどうでしょうか。
猫が狭いビール箱を好むのは、野生動物のなごりです。
狭い場所に隠れることで天敵から身を隠すことができて、いざというときには逃げることもできます。
野生で生きている猫は、獲物を捕らえたら他の動物にとられないよう、狭い場所に隠れて食べる習性があります。
猫にとってビール箱は体にフィットして、格好の隠れ家なのでしょう。
まとめ
猫になぜビールを与えてはいけないのか、理解したのではないでしょうか。
意外にも猫はビールに惹かれてしまうこともあるので、飼い主さんがビール好きな場合は、ビールの缶を放置しないよう注意しましょう。
本来猫は体に悪いものは口にしませんが、ビールのニオイに惹かれるのか、猫自身から口にしてしまうことがあるようです。
万が一の事故を防ぐために、猫が近づける場所にビールを放置しないでくださいね。