猫が飼い主の顔を舐めてくる痛い
猫がずっと舐めてくると痛いため、止めさせていいものか迷いますよね。
飼い主さんを猫が舐める理由は、愛情表現のひとつなのです。
違う意味で飼い主さんを舐める場合もあるため、違いをチェックしてみてください。
合わせて猫が自分を舐める理由や、舐め過ぎるときの原因も紹介します。
猫が飼い主を舐める理由とは?
猫が飼い主さんを舐めるのは愛情表現が多いのですが、例外として敵意がないことを示す場合や、ただニオイを消そうとしているときもあります。
飼い主を仲間だと思っているため

猫が飼い主さんのことを舐めてくるのは、仲間だと思っているためです。
親や兄弟とも猫はグルーミングをしあうため、飼い主さんのことを家族のように親しみを感じているのでしょう。
仲間同士でグルーミングし合うことを「アログルーミング」といいます。
敵意を感じている人や、仲の悪い人に対して猫はグルーミングをしません。
長い時間猫が舐めてくれなくても個体差があるので、心配しなくても大丈夫です。
敵意がないことを相手に表現するため
明らかに信頼関係が築けていない猫が舐めてきたら、それは相手に対し「敵意はない」ことを表現しているためです。
猫にとって家族で苦手な人がいる場合でも、1~2回少ない回数で舐めてきます。
普段は特定の家族を見ると走って逃げる場合でも、その家族に触れられたとき、ペロッと舐めて敵意がないことを示そうとしているようです。
強いニオイを消そうとするため
猫にとって嫌なニオイが飼い主さんに付いていると、猫はそのニオイを消そうとして舐めてきます。
飼い主さんが汚いから「舐めてやろう」というより、猫自身がそのニオイが嫌だから消そうとしているのです。
猫は自分のニオイに囲まれていると安心しますが、飼い主さんは外からニオイを持ち帰ることもあるので、猫は不安に感じているのですね。
猫によってはメントールのニオイがする化粧品を舐めることもあるため、飼い主さんが使う化粧品に注意してください。
化粧品には猫にとって有害な成分も含まれているためです。
グルーミングをしようとしてくれるため
飼い主さんが猫のブラッシングをしていると、猫からもお礼のグルーミングをしてもらえるときがあります。
猫同士も信頼関係がある猫にしかグルーミングをしないので、飼い主さんから「グルーミングしてありがとう」と猫がお返ししてくれているのでしょう。
グルーミングをし合うのは愛情表現で、親しい間柄しかしません。
猫によっては飼い主さんからブラッシングされるのを喜ぶ子もいます。
それは猫にとって「アログルーミングしてくれた」ことと一緒なのです。
猫の性別によって違う飼い主への舐め方
猫の個体差によっても違いますが、たくさん舐めてくる子もいれば、さらっと済ます子もいます。
オスは甘えん坊でよく舐めてくる
オスは一般的に甘えん坊の子が多く、去勢手術をすれば永遠の子どものように振舞い、飼い主さんにべったりになってペロペロ長い間舐めてきます。
猫にとって飼い主さんはママの代わりで、いつも一緒に居たいと思ってくれているのでしょう。
しかし、多頭飼いでオス同士を飼っていると、相手をグルーミンしないことも多いです
オス同士の関係性は「縄張り争いの相手」のためです。
幼いころから一緒に育ったオスの兄弟の場合は、相手を仲間だと認識してグルーミングし合うこともあります。
メスは独立心が強く簡単なペロのみ
メス猫はクールで飼い主さんへの愛情表現も少なく、ペロペロする時間が少ないようです。
飼い主さんとべったりな関係性にならなくても、信頼関係が築けているなら舐めてきます。
猫同士の場合では、メス猫は仲間の猫に対してグルーミングことが多いです。
メス猫は本来子猫を舐めるのが当たり前のため、多頭飼いでメス猫とオス猫を同時に飼うと、メス猫がオス猫に対しアログルーミングします。
猫が飼い主を噛んで舐める理由とは?
猫が飼い主さんを噛む行為にはいろいろな意味があります。
本能からくるものや、愛情表現のため、童心に戻って甘えているなどの心理です。
狩猟本能からくる行為のため
猫はもともと狩猟動物で、遊んでいるうちに興奮しすぎて、飼い主さんを噛んでしまうことがあります。
すぐに猫が飼い主さんのことをペロペロ舐めてくるなら、「ごめんなさい」と言っているようにも感じられるでしょう。
しかし、猫が獲物を捕らえた後に食べられるか味見をする行為なのです。
さすがに飼い主さんのことを獲物と思ってガブリとはしませんが、本能からくる行為のため、止めさせることはできません。
猫と遊んでいてヒートアップし過ぎる場合は、猫に噛まれないよう注意してくださいね。
もうやめて!の意味がある
飼い主さんが猫のことをしつこく触ったり構ったりしていると、猫は「もうやめて!」と言わんばかりに噛んでくることがあります。
猫が甘えたいのは自分が甘えたいときだけで、気分が乗らなくなったら、飼い主さんに対しても平気で怒ってきます。
しかし、強く噛んでくることはなく、その後すぐに舐めてくれることもあります。
猫がイライラしている様子を見せているときや、嬉しそうではないなら、そろそろ猫を触るのをやめなければなりません。
ずっと猫に触れたい飼い主さんにとっては悲しいですが、猫の性格によっても短時間で「もう触らないで!」となることもあります。
飼い主への愛情表現をしているため
飼い主さんとスキンシップ中に猫が甘噛みしてきたら、猫が愛情表現をしているのです。
噛まれても痛くない程度の甘噛みなら、猫が舐めるのと同じように、相手を信頼している行動だといえます。
飼い主さんが猫を撫でているとき、飼い主さんが猫をブラッシングしているときに、猫は甘噛みしてくることがあります。
嬉しさのあまりに猫は思わずガブッとしてしまうのです。
猫が噛む行為はすべてが悪いわけではないので、甘噛みの場合は大目にみてくださいね。
飼い主さんへの甘噛みは子猫によくみられる行為で、兄弟たちとじゃれ合うのと同じような感覚なのでしょう。
大人になっても飼い主さんに対して甘噛みしてくるのは、猫が甘えん坊で子どもの気持ちを持ち続けているためです。
噛む力が強くなるようなら、猫を叱らずに猫じゃらしで気をそらせてください。
猫がずっと舐めるのは病気?
猫が自分のことをずっと舐めていると、飼い主さんとしては「病気なの?」と気になってしまいますよね。
猫は1日の3分の1をグルーミングに充てている
猫は1日の3分の1を自分のグルーミングの時間に充てているため、飼い主さんにすれば長い間猫が舐めている感じがするのでしょう。
自分の体をグルーミングするのは、3つの目的があります。
1・体のニオイを消すため
猫の体にニオイが残っていると狩りのときに邪魔になるため、猫は本能で自分のニオイを舐めて消そうとしています。
家猫は狩りの必要性はありませんが、それでも舐めずにはいられないのです。
2・リラックスするため
猫にとってグルーミングは、リラックスするためのものでもあります。
失敗したとき、不安に感じたときなどに、猫は自分の体を舐めて気持ちを落ち着かせようとするのです。
3・体の汚れを取り除くため
猫にとってグルーミングは、体の汚れを取り除くお風呂と一緒です。
そのため、短毛種であれば猫をお風呂に入れる必要はありません。
猫の舌にはざらざらとした突起が複数あって、突起をクシのように使って埃やフケなどを除去しています。
家庭で1匹しか猫を飼っていない場合は、背中など猫が届かない場所を飼い主さんがブラッシングして汚れを取り除いてあげてくださいね。
ストレスを解消しているため
猫が自分の体を過剰に舐めているときは、ストレスがあると考えられます。
生活環境の変化で猫がストレスを感じていると、心を落ち着かせようとして過剰なグルーミングをします。
猫が舐めやすいお腹などをチェックして毛が薄くなっているなら、ストレスを疑いましょう。
ハゲができるほど猫が舐めているなら、一度獣医さんに診てもらってください。
皮膚病による問題も考えられるためです。
猫が毛を舐め過ぎないようにするには、ストレスを取り除いてあげて、猫にエリザベスカーラーを付けて過剰なグルーミングを防ぎます。
猫が舐めると痛い理由
猫になめられて痛いのは、猫の舌に特徴があるためです。
猫の下には糸状乳頭という突起がある
舌に付いているざらざらの突起は、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)といいます。
猫の舌をよく観察してみると、とげの様なものが無数に生えているのがわかるでしょう。
糸状乳頭はネコ科の動物だけが持っている特徴で、いろいろなときに使っています。
- 獲物の肉をこそげとるため
- グルーミングをするため
- 水をすくって飲むため
とくに特徴的なのが、猫が肉食動物であることです。
猫は大きな顎を持っていないため、獲物を砕いて食べるような構造はしていません。
その代わり、舌の突起を使って、獲物の肉をこそげとるように食べます。
確かに猫に長時間舐められたらとても痛くて、人の皮膚も剥がれ落ちるような感覚になりますよね。
猫は舐める強さは調節できるようで、飼い主さんの皮膚が剥がれ落ちるほど強く舐めることはありません。
飼い主が触ったところを猫が一生懸命舐めるのは?
猫は飼い主さんが触れたところを急いで舐めることがあります。
飼い主さんとしてはショックですが、何か意味があるのでしょうか。
ニオイを消そうとしているため
飼い主さんが猫を触ったのに、直後に猫がその場所を舐め出したらショックですよね。
別に飼い主さんのことを嫌っているわけではありません。
猫は自分の毛にニオイが付いたり毛が乱れたりするのを嫌うようで、ただ自分の体をグルーミングして整えようとしているだけです。
猫の血液型はA型が多いようで、とても神経質な性格のようです。
自由気ままでお気楽に生きているように見える猫でも、本来の猫はデリケートでストレスに弱く、環境の変化をとても嫌います。
猫にとって毛並みを整えることは、こだわりが強い行動のようです。
まとめ
猫が飼い主さんを舐めてきたら、素直に喜びましょう。
顔や二の腕の内側など皮膚が柔らかいところだと痛いのですが、猫の愛情表現だと知ると、ますます止めさせるのは難しくなってしまいますよね。
甘えん坊の猫ほど長い間舐めてくるので、飼い主さんは上手く付き合ってください。
無理に猫が舐めるのを止めさせるのではなく、遊びやブラッシングで気をそらすのもおすすめです。