猫のひげが抜けるとは?病気・食べる原因について
猫のひげが抜け落ちているのをみると、「大丈夫かな?」と心配になりますよね。
ひげは毛の一種のため、サイクルによって抜け落ちます。
抜け落ちた猫のひげはお守りとして使えるため、取っておきましょう。
しかし、猫のひげが抜けすぎるときや、ちぢれているときは注意してあげてください。
猫のひげが抜けるのは普通のこと?
猫には太くて長いりっぱなひげが生えているため、抜けると異常ではないかと思ってしまうことがあります。
ひげは猫にとって大切な部分で、抜けると心配になってしまいますよね。
猫のひげも生え変わっている

猫のひげは定期的に生え変わっているため、抜けていても心配しなくて大丈夫です。
ひげ自体は普通の体毛と一緒で、毛のサイクルによって抜け落ちます。
猫にとってひげが重要なのは、神経と密接しているためです。
ひげ自体に神経が通っているのとは違います。
抜けるときは古いものから順番に抜け落ちるため、ひげがなくなってしまうことはありません。
生え変わりの周期は半年くらい
猫のひげの生え変わりのサイクルは半年くらいです。
ひげによっても抜け落ちる時期が異なるため、1ヶ月に数本程度なら通常の抜け落ちだといえます。
年を取ると生え変わりのサイクルが遅くなる
人間も若いと代謝が良いように、猫も年を取ってくると代謝が低下するため、ひげの生え変わりの頻度も遅くなっていきます。
若い猫はよく抜けたひげが見つかったのに、老猫になると数が少なくなるのが一般的です。
抜けた猫のひげをお守りにしよう
自然に抜け落ちた猫のひげは、お守りになるともいわれています。
もともと猫は「招き猫」や「黒猫」が縁起物として扱われていて、猫のひげは御利益を得られるグッズとしても人気です。
猫のひげは、金運アップ、恋のお守りなどとして使えます。
注意したいのが「自然に抜けた猫のひげ」であって、飼い主さんが猫のひげを切って持ち歩いても意味がないことです。
猫のひげが落ちているのを見かけたら、猫から幸運のおすそ分けだと思いたいですね。
お守り袋に入れる
出典:https://www.creema.jp/item/2708313/detail
猫のひげを持ち歩く場合は、お守り袋に入れるのがおすすめです。
和紙で作った専用のお守り袋を提供しているクリエーターさんもいるため、チェックしてみてはどうでしょうか。
お守りはお財布に入れたり、スマホケースに入れたりできます。
抜けた猫のひげをそのまま入れるより、袋に入っていると耐久性を保つことができておすすめです。
抜けたひげの使い道
抜けた猫のひげはケースに入れて大切に保管する方法もあります。
数年間猫のひげを溜め続けると、なんと1,000本くらいの数です。
出典:Instagram
名前入りの猫のひげケースで、メガネケースのようなフォルムをしています。
この飼い主さんは、亡くなった猫のひげと爪を保管しているそうです。
出典:Instagram
ねこのひげを収納して壁掛けにもできる、可愛らしい猫ひげケースです。
透明の瓶を使うと、いつでも愛猫のひげを眺めることができていいですね。
出典:Instagram
猫のひげは、ひげさしスタンドに付けて保管することもできます。
たくさん溜まったらまるで猫のひげみたいになって、楽しいインテリアになりますね。
猫のひげが切れるのも普通のこと
猫のひげは繊細で、何かの衝撃で切れてしまうことがあります。
1~2本程度ひげが切れている程度なら心配しなくても大丈夫です。
飼い猫同士が取っ組み合いの遊びをしたり喧嘩をしたりすると、猫のひげが折れて途中で切れてしまうことはあります。
猫のひげをよく観察してみると、左右でひげ本数が異なることも多いです。
猫のひげがちぢれている場合はヒーターを疑うこと
猫のひげの先端がちぢれているときは、暖房器具で焦げた可能性があります。
冬になると石油ストーブを出す家庭では、猫が暖房器具に近づき過ぎて、ひげの先端が焦げてしまうのです。
猫のひげの先端には神経や血管は通っていないので焦げても問題はありませんが、頻繁におきていれば猫の火傷リスクもあるため注意しましょう。
ひげが焦げる場合は口元から生えるひげより、目の上にあるひげでよく見られています。
猫のひげが抜ける理由の前にチェックしたい役割
「猫のひげを切ってはいけない」といわれるのは、猫のひげには重要な機能が備わっているためです。
ひげがなくなると、猫は生活に支障が出てしまいます。
温度差など空気の変化を読み取る
猫のひげの根元には血液で満たされた袋(環状洞)があり、周りにある神経へ振動を伝える働きがあります。
ひげは猫にとって感覚器官で、空気の温度差や流れを読み取っています。
猫は夜行性で暗闇でも動き回る必要があることから、猫の毛はとても敏感で、周りの物にぶつからないよう風を読み取るのが特徴です。
ひげがあることで猫がバランスを取ったり、周りの物の位置を判断したりできています。
獲物をとらえる
猫のひげは獲物をとらえるための感覚器官としても活躍しています。
敏感に周りを察知できるひげがあることで、虫や小動物の動きを判断できます。
猫は聴力も優れていますが、さらにひげで空気に伝わる振動を感知し、獲物の動きをとらえているのです。
その証拠に、猫と遊んでいるときはひげが前に向き、微細な空気の動きまで読み取っていることがわかります。
狭い場所に入れるか判断する
猫はひげで狭い場所を通れるか判断しています。
ひげは口周りだけでなく、目の上や顎の下、頬にもひげが生えていて、顔じゅうにめぐらされているひげで狭い場所の大きさを測ります。
猫は狭い場所に入って虫や小動物をとらえる必要があるため、ひげが重要な役割を持ちます。
狭い場所に猫が入るときは、顔を入れてひげが通るようなら、体も通れると判断しているのです。
猫が抜けたひげを食べるのは?
猫が抜けた自分のひげを食べる、または多頭飼いで他の猫のひげをむしって食べるという行動が見られることがあります。
ひげを食べたとしても、猫の胃酸はとても強く消化されるため大丈夫です。
猫は獲物の羽や毛をむしる性質があるため、その特徴からひげをむしっていたら口に入り、食べてしまったのかもしれません。
心配なのは食べた猫のほうではなく、ひげを食べられたほうです。
猫のひげは探知機のような役割で、猫にとって感覚器官のひとつだといえます。
しかし、完全室内飼いの猫がひげを多少失っても、暗闇で物を感知できる能力が多少低下する程度です。
猫のひげがなくなってもケロッとしているようなら、様子を見ても大丈夫でしょう。
猫によっては細かな感知ができなくなり、静かに過ごして元気がなくなったように見える場合もあります。
ひげがまた生えてくれば元に戻るため、心配し過ぎる必要はありません。
ひげが抜ける猫の病気
猫のひげが抜け落ちる量が多くなってきたら、病気が原因かもしれません。
一度にひげが抜け落ちることはないため、たくさんのひげを見つけたら注意しましょう。
ストレス
猫のひげの抜けが多くなってしまうのは、ストレスも原因のひとつです。
生活環境の変化や、新しい猫を迎えたときなどに、猫は大きなストレスを感じています。
「猫は人につかず家につく」といわれるのは、猫が環境の変化に弱いためです。
「猫が飼い主に懐かない」というわけではなく、それだけ環境の変化を嫌っています。
猫によっては飼い主と離れることよりも、住宅環境が変わるほうがストレスの子もいるくらいです。
猫エイズ
猫エイズにかかると、免疫低下がおこりやすく、皮膚炎からひげが抜け落ちることがあります。
家猫の場合は、キャリアとなっている野良猫とのケンカで感染することがあります。
母体が猫エイズに感染していると、母体から子猫に感染することもあるため注意が必要です。
猫エイズの正式名称は「猫免疫不全ウイルス感染症」で人間のエイズとは違います。
症状が人間のエイズと似ていることから、猫エイズと呼ばれています。
猫エイズに対する特効薬は存在していないため、感染させないことが重要です。
猫白血病
猫白血病は感染症のひとつで、白血病ウイルスに感染することでおこります。
ウイルスに感染している猫から感染するため、家猫は外に出さないようにしましょう。
母猫から子猫へと母子感染することもあります。
ウイルスは唾液などにも含まれているため、家庭内に感染している猫がいる場合は、ほかの猫の感染に注意が必要です。
猫白血病にかかると骨髄に影響を及ぼし、貧血や腫瘍ができます。
免疫力が低下してひげも抜けやすくなるでしょう。
猫白血病は一度発症すると完治させることが難しく、対症療法しかありません。
ニキビダニ症
ニキビダニは皮膚に常駐しているもので、健康な猫には悪さをしませんが、免疫力が低下した猫は皮膚炎をおこします。
皮膚炎をおこしたところで脱毛がおこることもあるため注意が必要です。
ニキビダニは子猫や老猫で多く見られています。
寄生虫の一種のため、症状があれば薬で治療が可能です。
まとめ
猫のひげが抜けたのを見るとビックリしてしまいますが、「毛」だとわかれば、サイクルで抜け落ちるのは理解できますよね。
太くて立派なひげは、抜けないものだと勘違いしやすいのです。
月に数本程度猫のひげが抜ける程度なら、正常の範囲でしょう。
明らかに脱毛がわかるほど抜ける場合は、病気も疑う必要があります。
正常な範囲で猫のひげが抜け落ちている場合は、お守りにして大切に保管するのもいいですね。